2013年7月24日水曜日

ソーラーも夏バテをする

夏の日差しは強烈なので発電が多いと考えられるが、実際にはそれほど多くない。5月頃の方がトータルでは上回る。発電量の目安は日射量に比例する。同じ日射量なら気温が高いか低いかで実発電量は変わってくる。
たとえば50KWでみると、今年の3月12日の日射量(6.5KW/m2(日照時間11時間20分)だと300KW発電したのが、3ヶ月後の6月15日だと6.5KW/m2(日照時間4時間34分)で250KWの発電量だ。同じ日射量であっても温度が違うだけで、10-15%位落ちてしまう。6月4日だと日照時間12時間58分、日射量8.21KW/m2で330KWになる。4月、5月で日射量8.2KW/m2あれば350KW発電する。パネルのカタログにも温度特性が表示されているが温度上昇とともに出力が落ちると表示されている。野立ての場合、屋根と違って熱がこもりにくいので若干有利に働く。
このように、3月頃だと日射はそこそこ強く気温が低い。夏になるとさらに日射が強くなるが気温が高い。日射量ほど発電量は増えないということになる。基本的には天気が良くないと発電はしないので、晴天率というか日照時間も影響してくる。ということで、年間の発電量も4月とか5月がピークになる場合もある。今年の6月は天気が良く無い日が多かった。
実は、出力が出ないのはパネルの温度特性だけではなく、パワコンも一役買っている。パワコンの使用環境は50度Cまでとなっている。パワコンは、電気を変換する時に熱を出している。40度を超すと出力抑制が掛かる。安川のPV1000だと10KWの能力が有っても8KWに抑えて熱の発生を防ぐ。それでも温度抑制が出来ないと50度で停止してしまうという風に制御されている。だから、日照が強くても、夏場になると機器の保護のために発電が抑えられるということになる。
出力抑制の画像例。どちらが抑制が掛かっているのかは説明する必要は無いと思う。
温度以外に、出力抑制の原因として系統電圧が上昇すると抑制が掛かる。同じようなグラフになる。こちらは、暑くなるとエアコン等で電力を沢山消費するので(系統電圧が下がる)、高温時には反対に起きにくくなると思う。
今年の夏は暑くなりそうとの気象予報が出ている。農業もソーラーも人間同様夏バテをするということである。高温化が続くようだと、パワコンやパネルのためにエアコンを設置するということを考えなくてはいけないのだろうか?そこまでする人はいないと思うが、農業ではハウスなどにエアコン(ヒートポンプ)を設置する事例が出始めている。高級作物の場合だけですが、値段が高いのはこういう費用が含まれているからです。


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